皮下脂肪が減らないミートテック野郎のブログ

思いついたことを整理してます。

親族を会社経営に参画させることについて

本日、エアバッグのインフレータ(瞬時に膨らませる部品)の世界的サプライヤーであるタカタが破産手続きをとりました。

 

批判したいことも多々ありますが、大体世間の報道機関からなされているものと大差ないのでその辺はそちらをご覧ください。

 

今回経営者が最後の破たんの会見まで公の場に出てこなかったということで、どうやらオカンが影響しているのではないかと言われています。ロイターを引用しますと。

 

有価証券報告書によると、同社の株式は重久氏が2.89%、母である暁子氏(74)が2.06%を所有、52.1%はタカタの100%子会社で、暁子氏と重久氏が役員に名を連ねるTKJ株式会社が保有する。

 

ロイターの取材によると、TKJとタカタ財団、その他いくつかのタカタ関連会社が、東京のオフィスビルの一角に共同で所在し、受付の電話を共有している。受付担当者によれば、暁子氏や重久氏が訪れることはめったにない。さらに、重久氏が代表を務めるST株式会社という会社が1.5%を保有する。これもタカタの100%子会社で、会社の所在は住居棟に登記されている。

同社は、1933年に重久会長の祖父である武三氏が滋賀県彦根市で織物製造を営む高田工場として創業した。重久氏は2007年に41歳で社長に就任し、2011年に父の重一郎氏が死去すると、後を継いで会長に就任した。重久氏の母の暁子氏は元タカタ役員で、現在は公益法人のタカタ財団の理事長を務める。

創業家の事情に詳しい人物によると、重久氏は同社幹部の一部から「むすこ」や「しげちゃん」と呼ばれ、暁子氏は「大奥さん」と呼ばれており、暁子氏が依然として社内で影響力を持っているという声もある。”

 

ということで、昔父ちゃんが創業したんだけど、母ちゃんが役員に君臨してたりして実権握ってたかもね。ということです。

 

家族なら何でもありなのかと思われるかもしれませんが、中小企業では実は家族を役員にすることはままあります。その目的は所得税対策だったりもしますが、創業時からついてきてくれた配偶者への感謝だったりもするので、経営さえちゃんとしているなら一概には悪とは言えません。

また、上場すると何とか一定割合は親族で固めておきたいと考える企業も多いようで、家族に株を持たせることも多々見受けられます。株の名義のための企業にしておくところ(サントリーの寿不動産とか)もありますが、神戸物産なんかはそのままですね。

 

とはいえ、タカタも立派なグローバル企業であるはずなのに、いつまでも中小企業の時の既得権益を保持したままでは上場企業として不適格だと思いますので明らかに本件事実であるなら行き過ぎだと思います。

そもそも上場したなら誰に買われたって文句言えないのですから、嫌なら上場すんなという話です。

 

オカン大暴れ伝説としては、本件のタカタのほか、旦那の骨壺を持ち出した大戸屋のオカン、そして懐かしい船場吉兆なんてのがありますが、大戸屋も上場企業ですので、正直何考えてるんだと言わざるを得ません。もちろん彼ら彼女らが苦労したころは今よりもっとガバナンスなんて無かったも同然の頃ですから、そう人間は変れないよと言えばそうかもしれませんが、変わらないのであれば株だけ握って経営からは退くべきでしょうね。

 

タカタは大変にみっともない姿をさらして中国企業に引き取られていきました。従業員としては断腸の思いでしょう。人間やはり晩節が一番難しいですね。