皮下脂肪が減らないミートテック野郎のブログ

思いついたことを整理してます。

平均値で語ることの意味

季節柄春闘を見据える時期に入り、日経あたりが御用聞き性能を遺憾なく発揮して「3%賃上げ」の大合唱をしています。

さてそんな日経が「主要7か国の中で賃金平均が伸びてないのが日本」みたいな記事を書いていて、ウンザリさせられます。TVも含め、マスコミが何かを誘導したいときはこういうデータを恣意的に加工する(グラフの縦軸をいじったり)ので書いておきたいと思います。

 

まず「平均値とは誰のことを指す」のでしょうか?今回の給与の話に沿って進めれば、「一番いい給料をもらっている人と一番安い給料をもらっている人の真ん中で、一番たくさんいる層」と思いがちですが、平均値とはそんなものを保証しているわけではありません。つまり、「平均値=最頻値」とは限りません。

特に最近「格差」が強調されますが、安い給与の人と高い給与の人たちが断絶していった場合、その真ん中に当たる人たちは存外少なくても、平均値はそこになったりします。分かりやすく言うと、

10円4人、50円2人、90円4人(パターン①)

10円2人、30円2人、50円2人、70円2人、90円2人(パターン②)

どちらでも平均値は50円なんですよね。

 

ですから、給与の平均値がその国の在り様や問題点を的確に示してるとは限らないので、それを多国家間で比較することにはあまり意味はないのです。暮らしやすさ一つとってみて比較しても物価と相対ですし。

 

大切なことは、その国にあった(最も大きな問題を修正する)対応がなされることです。高い給与の人がさらに高くなることよりも、低い人たちが上へシフトすることこそ国がまず真っ先に採らねばならぬ政策なわけですから、賃上げだけ叫んでも仕方ないわけです。派遣社員の給与を置いてけぼりにして正社員の議論をしても将来の不安は減りにくいですよね。

 

こういったバカバカしい誘導に引っかからないように、(以前も書いたことですが)新聞やTVの意図を考えながら確認したいものです。

 

ちなみに、個人的には最低賃金を押し上げていくことが一番良いと考えており、現政権は毎回最低賃金を改定しているので、それはそれでちゃんとやっていると思います。割り食って赤字の中小零細企業は潰れるかもしれませんが、稼げてないんだから仕方ないですよね。